わかりやすい経営コラム ~経営者の皆さまへ~
 

 part31「インフレーション」

 新聞やテレビのニュースなどで、「インフレーション(inflation:インフレ)」という言葉をよく耳にします(Wikipedia「インフレーション」)。「インフレーション」とは、「持続的な物価の上昇」を表す言葉です。「持続的な物価の下落」を表す「デフレーション(deflation:デフレ)」とあわせて、みなさんも聞いたことがある言葉ではないでしょうか(Wikipedia「デフレーション」)。

 「インフレーション」でいろいろなモノの価格が高くなると、みなさんの生活にも影響がありそうですね。たとえば、食品などの「生活に必要なモノ」が高くなったのに、みなさんの給料がかわらなければどうなるでしょうか。

 「物価の上昇」は、「貨幣価値の下落」を意味します。モノの価格が高くなるということは、お金の価値が下がるということでもあるのですね。これはどういうことでしょうか。かんたんに考えてみましょう。

 では、今回も「ハンバーガー」に登場してもらいましょう。いま、「ハンバーガー」1コの価格が消費税込で100円だとします。みなさんは、今月の「おこずかい」500円をもっています。この500円で「ハンバーガー」をいくつ買うことができるでしょうか。

 みなさんは、この「ハンバーガー」を5コ買うことができます。

 さて、ここで「インフレーション」の発生です。数か月後、いろいろなモノの価格が高くなりました。1コの価格が100円だった「ハンバーガー」は、消費税込で500円になってしまいました。みなさんの「おこずかい」はかわりません。今月も500円をもっています。この500円で「ハンバーガー」をいくつ買うことができるでしょうか。

 みなさんは、この「ハンバーガー」を1コしか買うことができません…。ここで、このお話を整理してみましょう。

 「500円の価値=『ハンバーガー』5コ」!

 「『インフレーション』発生」!!

 「500円の価値=『ハンバーガー』1コ」!!!、ということです。

 「ハンバーガー」5コの価値があった500円が、「ハンバーガー」1コの価値しかなくなってしまったのです。「インフレーション」の発生により、お金の価値が下がってしまいましたね。

 前回のテーマである「為替レート」を考えてみましょう。一般的には、「インフレーション」が発生した国の通貨は相対的に安くなります。これも、かんたんに考えてみましょう。

 「アメリカでは3ドル=『ビッグマック』1コの価格=日本では300円」!

 「1ドル=100円」!!

 「『インフレーション』発生、日本では『ビッグマック』1コの価格が600円に値上げ」!!!

 「1ドル=200円(円安)」!!!!、ということです。

 円安は原材料費高騰の要因にもなりましたね。原材料費が高騰すると、また物価が上昇しそうです。このような供給者側に要因がある「インフレーション」を「コストプッシュ・インフレーション(cost-push inflation)」といいます。とくに、景気がわるいのに持続的に物価が上昇する状況は「スタグフレーション(stagflation)」といわれています(Wikipedia「スタグフレーション」)。

 また、景気がよくなって需要が拡大すると、物価が上昇しそうです。このような需要者側に要因がある「インフレーション」を「ディマンドプル・インフレーション(demand-pull inflation)」といいます。

 「インフレーション」は、経営にも影響がありそうです。たとえば、みなさんの会社(事務所、お店など)が原材料や商品を調達する場合、そのコストが大きくなります。通常は、商品などを販売して「はいってくるおカネ」を得るためには、原材料や商品を調達するための「でていくおカネ」がさきに必要になります。

 原材料や商品の調達コストが大きくなると、そのぶんたくさんの「おカネ」が必要です。しかし、経営資源にはかぎりがあります。「おカネがたりない!」ということになってしまうかもしれません。今回は、「インフレーション」のお話をしました。このように、外部環境の変化にはさまざまなものがあります。そして、適切な意思決定をするための準備も、企業によってさまざまです。

提携中小企業診断士 岩田 岳






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